8.2 Flaskでのクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)の防止 #
クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)は、ウェブアプリケーションに存在する潜在的な脆弱性であり、攻撃者が被害者のブラウザを通じて、許可されていない操作を行う手段となり得ます。Flaskウェブアプリケーションを守るために、この種の攻撃から保護する方法を説明します。
CSRF保護とは何か #
CSRFは、攻撃者がユーザーのセッションを乗っ取り、そのユーザーとして操作を行う攻撃です。これは、ユーザーがログイン中のウェブサイトに対して悪意のある行為を行うために利用されます。
FlaskはCSRF保護を組み込むためのツールを提供しています。その一つがFlask-WTFとFlask-SeaSurfという拡張機能で、これらを使うことで、FlaskアプリケーションにCSRF保護を追加することができます。
Flask-WTFを使ったCSRF保護の設定 #
Flask-WTFはFlaskのための統合型フォームヘルパーライブラリで、WTFormsと共にCSRF保護も提供します。
Flask-WTFを利用するためには、まずライブラリをインストールする必要があります。
$ pip install flask-wtf
次に、Flaskの設定で秘密鍵を設定し、CSRF保護を有効にします。
from flask import Flask
from flask_wtf import CSRFProtect
app = Flask(__name__)
app.config['SECRET_KEY'] = 'mysecretkey'
csrf = CSRFProtect(app)
ここで設定した秘密鍵は、Flask-WTFがCSRFトークンを生成する際に使用されます。
最後に、POSTリクエストを扱う各ルートにて、@csrf.exemptデコレータを使用してCSRF保護を無効にしない限り、Flask-WTFは自動的にCSRF保護を適用します。
Flask-SeaSurfを使ったCSRF保護の設定 #
Flask-SeaSurfは、Flaskアプリケーションに対してCSRF保護を提供するライブラリです。SeaSurfは通常のリクエストに対してCSRFトークンを自動的に注入します。
まず、Flask-SeaSurfをインストールします。
$ pip install flask-seasurf
次に、アプリケーションに対してSeaSurfインスタンスを生成します。
from flask import Flask
from flask_seasurf import SeaSurf
app = Flask(__name__)
app.config['SECRET_KEY'] = 'mysecretkey'
csrf = SeaSurf(app)
この設定後、SeaSurfは全てのPOSTリクエストに対してCSRF保護を自動的に適用します。また、csrf.exempt(view)を用いて特定のビューに対するCSRF保護を無効にすることも可能です。
結論 #
Flaskでウェブアプリケーションを構築する際は、CSRF攻撃から保護するための対策を必ず取りましょう。Flask-WTFやFlask-SeaSurfなどのライブラリを活用することで、このような攻撃からアプリケーションを保護することができます。